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住まいの基礎知識

住まいの基礎知識 〜失敗しない住まいづくりのために〜

第1回 構造から知るリフォームのツボと図面の読み方

part03 図面の見方・読み解き方

一口に図面といっても、その目的によって内容は異なります。図面の基本的な目的は、「形」を「相手」に伝えることですが、 この「相手」が大きく三つに分けられます。一つは、どんな計画なのかを、ユーザー側に説明するためのもの、二つ目は大工さんや専門の工事業者に 説明するためのもの、そして三つ目は役所に提出して建築の許可を得るためのものです。設計者が描く設計図の種類は、人によって違い はありますが、住宅であればおおむねつぎの9種類ぐらいです。 (1)敷地図、(2)配置図、(3)各階平面図、(4)各面立面図、(5)各種断面図、(6)展開図、(7)伏図、(8)電気設備図、(9)給排水設備図 このうち(7)以下は、ほぼ専門家向けと考えてよいでしょう。そして、ユーザー側に示されるものとしては、 間取りを説明するための(3)の平面図や、どんな外観になるのかを示す(4)の立面図が一般的です。ほかには、照明やスイッチ、 コンセントなどの位置を確認するために、電気設備図が示されることも多いようです。また、室内や外観の雰囲気を示したパース(透視図) と呼ばれるものが描かれることもあります

Vol.01 平面図と間取り図はどう違う?
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それでは、まず平面図について見ていきましょう。

皆さんは、週末の不動産屋さんのチラシなどでたくさんの「間取り図」 を見ているはずです。平面図は、この「間取り図」をもう少し正確に 描いたものと考えることができます。もともと「間取り図」という図面 はなく、「平面図」を簡単にしたものが「間取り図」なのです。

一般的に30〜50坪程度の敷地に建つ住宅で1階や2階をすべて描くのであれば、1/50〜1/100 くらいの縮尺で平面図は描かれます。部分的なリフォームで、1部屋や2部屋だけ描く場合には 1/30など、もっと大きなスケールのこともあるでしょう。下の図は、在来軸組み工法による木造住宅 の平面図ですが、この図面から、どんなことが読み取れるのでしょうか。


Vol.02 図面から広さ・長さを実感する

平面図で、まず部屋の大きさや長さ、広さといった寸法関係の情報を読み取る必要があります。 在来軸組み工法では、ほとんどのものが3尺(909mm、900mmや910mmの場合もある)を基本 に描かれます。

伝統的なつくり方の流れを汲む軸組み工法では、寸法も尺寸で書かれることが多いのです。メート ル法による表記に慣れている現代人にとって、尺寸の表現はちょっと分かりにくいかもしれません。

しかし大きさや広さを読み取ろうとするとき、尺寸の表現はじつはとても分かりやすい表現なのです。 それは現代の生活のなかにも、尺寸を基本にした習慣が根強く残っているからです。

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たとえば、「約10m2の部屋」より、 「6畳の広さの部屋」のほうが、 また「幅2m弱の物入れ」より「1間の押入よりちょっと間口の広い 物入れ」と言われるほうがよほど広さや長さを実感できるのではな いでしょうか。

図面に描かれている数字が、畳どれくらいに当たるのかを考えれば、 広さや長さはより実感をもって読み取ることができるでしょう。


Vol.03 窓の位置と高さは確認したい大きなポイント
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つぎに平面図でチェックしておきたいのが、窓や壁の位置についてです。部屋がどのようにつながっているのか、また、 どれくらい明るいのかは、部屋のイメージに大きく影響します。

窓の大きさについては、平面図ではその幅しか分かりませんが、どれくらいの幅の窓がどの位置に付いているのかをチェックします。 それを踏まえて、後述する立面図で窓の高さを見て、大きさを判断することになります。

また、平面図を見ていて忘れがちなのが隣の家との関係で、窓や壁の位置を確認することも大切 になります。どのくらいの距離で、どの程度の大きさの窓が隣の家に対して設けられているのかは、 必ずチェックしておかないと、のちのちお隣から文句を言われかねないので要注意です。



Vol.04 トップライト・梁を描く点線

トップライトなどがある場合には、平面図に点線で描かれることが多いので、その位置・方向を確認します。

とくに南向きのトップライトからは、夏の強烈な日差しが直接室内に入りますから、できれば避けたほうが無難でしょう。どうしてもというのであれば、 これを防ぐブラインドやカーテンなどをあらかじめ計画しておくことをおすすめします。

平面図に点線で描かれるもので忘れてならないのは、梁の存在です。マンションなどでよく見かけるように、 どんなに広い部屋であっても大きな梁が頭上を通っていたのでは、部屋の広がりを感じ
ることはできません。

図面上に点線で梁が描かれる場合は、梁の下には壁などがないということですから、その高さや大きさを確認する必要があります。

点線で描かれているのは何か?
梁やトップライトの位置・高さは見逃しがちなので忘れずにチェックしよう

耐力壁であることを示す三角マーク。
ここは簡単に取り去ることはできない。一方、1回のトイレ脇の壁などは耐力壁ではないので、もし、車椅子生活になって、トイレの入口を広くしたい、といったときにも対応可能

図面には必ず方位のマークがつけられているはず。
これを参考に、東西南北の窓の位置と幅をチェックしよう。


Vol.05 建具は「動線を考えてチェックする

建具は、扉と引き戸の2種類に大別できますが、扉は開き勝手が適切かどうか、引き戸は開いたときの幅や引き込む位置などを見ます。

開き勝手を考える際には、「動線」を考える必要があります。

動線とは、人やものが動く流れのことで、たとえば洗濯機置場から物干し台まで、ほかの部屋を二つも三つも通って行くようでは不便で仕方がありませんから、できるだけ短距離で行けるように動線を考慮するわけです。

家の中で自分たちはどのように動き回るのかを、じっくりシミュレーションして、使い勝手を検討することも平面図での大切な作業となります。

導線を考慮して建具の開き勝っても要確認。
収納扉と出入りのための扉など、いくつかの扉が重なるようなところは、特に要注意。扉を開けたままにしないと収納扉があかない、なんてこともおきる。

設計の図面は、尺寸のモジュールで描かれることが多い。基本は3尺。ここでは910mmを単位とする升目を基本にしている。この時の寸法は柱の中心から計るので図面で幅910mm(3尺)となっていても、壁の厚さなどが加わり、もっと小さくなることを忘れずに。


Vol.06 「耐力壁」を平面図から読み取る
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最後に、少し専門的になりますが、在来軸組み工法で設計 者が描く平面図の壁の見方について触れておきます。

それぞれの壁の脇に小さく三角形の記号のようなものが描 かれることがあります。この表現自体も、設計者によって いろいろあるようですが、これは簡単にいうとその壁が筋か いの入る「耐力壁」であることを示すものです。

三角形にも何種類かありますが、いずれにしてもその壁は耐力壁として、家の強さを保持する重要な壁と考えている わけですから、そうした壁は簡単にとることはできません。

新築時の図面に、こうした表記があれば、リフォームする際にも簡単に抜けるものかどうかを判断 する材料になると思います。もし、現状の家が、確認申請図のとおりに建っているなら、確認申請 図の三角マークをチェックしてみてはいかがでしょうか。



Vol.07 立面図で窓の大きさをチェック

立面図は、東西南北各面の姿図で、各方向から見た外観を描きます。

立面図では、建物外観の印象を知るとともに、窓の高さや大きさを確認することが大切です。

どの方向にどれくらいの大きさの窓が来るのか、平面図と照らし合わせながらチェックし、各部屋の窓位置を確認します。

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Vol.08 パースは出来上がりの「想像写真」
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こうした図面を見せられても、なかなか実感をもって理解することは難しいかもしれません。そうした際に、より理解しやすいように 描かれるのがパース(透視図)になります。

パースは、写真に撮った家の外観や部屋内部の様子を絵にしたもの、と考えると分かりやすいでしょう。もちろん、実際の家はま だできていないのですから、こんなふうに仕上がると想像して描くわけです。

梁の高さや窓の大きさなど、計画の数字に沿って3次元の世界を表現しますから、平面図などよりずっと分かりやすいと思います。



Vol.09 パースは補足資料として
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ただ注意したいのは、広角レンズで撮影したように、かなり広い視野で描かれることが多いことから、実際の部屋の印象とは若干異なるこ とです。実際に部屋ができてみると、パースでの感じより狭いと思うことのほうが多いのもそのためです。

また、営業に力を入れている会社は、パースを何枚も持ってきて見せてくれますが、往々にしていいところばかりを描くケースもあるようです。 マンションのチラシなどの、隣の建物も電線もない大変美しい完成予想図などは、その一例です。

パースは、ほかの平面図や立面図と違って、ユーザー側に計画のイメージを掴んでもらうことを目 的にしたものですが、その性格上、営業ツールとしても利用されやすいのです。ですから、パース の印象だけで決めるのではなく、平面図や立面図をよく読み込んで、自分なりのイメージをしっかり ともち、その補足資料としてパースを見るようにするべきといえるでしょう。