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住まいの基礎知識

住まいの基礎知識 〜失敗しない住まいづくりのために〜

第1回 構造から知るリフォームのツボと図面の読み方

part01 わが家のリフォーム度総チェック

「リフォーム」といっても、いろんな種類があります。やりたいのはどんなリフォームなのか? 何ができるのか?それを考えるには、まず家の構造を知る必要があります。「構造」なんて、 ちょっと難しそうだけど、じつは意外に簡単!図面をしっかり読み込めば、いろんな可能性が見 えてきます。「リフォーム」と一口にいっても、壁のクロスを張り替えるだけのものから、壁を一 旦壊して部屋や建物を大きくつくり直すなど大掛かりなものまで、とても広い範囲に及びます。 日本語には、改装・改修・改築・建替えなど、手を入れる程度によって何種類かの言葉があ りますが、リフォームという言葉は、これらのいずれの場合にも使用されることが多いようです。 ここでは、一戸建て住宅を主な対象として、リフォームの基礎知識をさまざまな角度から考えた いと思います。

Vol.01「改修」改築」はこんなに違う
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家を「リフォーム」しようと思ったとき、どういう目的で、どこまでやりたいのか、を明確にするのは当たり前のことのよう に思われます。しかし、前述の改装、改修、改築などの違いを踏まえて、正確に自分たちのリフォームの意図を把握している ケースは、意外に少ないように思います。「新解さん」で有名な「新明解国語辞典」では、それぞれの言葉をつぎのように 定義しています。


Vol.02 構造躯体に触る「改築」は全体計画が重要
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阪神・淡路大震災で倒壊した住宅。古くて土台などが腐っていた、ということ以外に、無計画な増改築の例がたくさんあった。

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間口の狭い建売り住宅は、壁配置のバランスが悪い典型で、地震により将棋倒しのように崩れた。

たとえば、単に表面の傷んだところを直す、汚いところをきれいにする、というのと、構造躯体の傷みまで含めて見直して部屋を大きくす る、というのでは、リフォームへの取組み方が大きく違ってきます。傷んだところや汚いところをきれいにするだけであれば、極端にいえば 専門の工事業者に依頼すればできることです。

屋根の塗り替えなどはいい例だと思います。ところが壁を取り除いて部屋を広げることに なれば、その壁が構造体として重要かどうかの判断をしなくてはなりません。木造住宅(在来工法)の場合、耐力壁と呼ばれる構造上必要な壁をバランスよく 配置することによって地震にも耐え得る強さを保持しています。ですから、壁を取り除く場合は、これに代わる処置をしないと、耐力壁の配置のバランスが悪くなり、 非常に危険な建物になってしまいます。神戸の震災でも、こうした配慮なしに、家を手直ししたため構造上の強度が確保できずに倒壊した例が数多く見られました。

したがって、こうしたリフォームをする場合には各工事の専門業者ではなく、信頼できる建築士(設計事務所)や工務店、リフォーム会社等に、家全体を検証してもらう必要があります。


Vol.03「改築」か「改修」か、それが問題だ

家を「リフォーム」しようと思ったとき、どういう目的で、どこまでやりたいのか、を明確にするのは当たり前のことのよう に思われます。しかし、前述の改装、改修、改築などの違いを踏まえて、正確に自分たちのリフォームの意図を把握している ケースは、意外に少ないように思います。「新解さん」で有名な「新明解国語辞典」では、それぞれの言葉をつぎのように 定義しています。

リフォームの動機と仕様の例
リフォームの動機・目的 具体的仕様の例 費用
改装 汚いところをきれいにしたい 壁紙の張替え、床のフローリング化など
改修 水廻りの設備機器を新しくしたい 古い機器を新しい機器に交換
雨漏りを直したい 屋根の不具合を修理・交換
大きな変更なしに地震に強い家にしたい 壁の増設・柱の補強など既存部に部材を
追加する方向で補強
簡単な高齢者対応をしたい 手摺りの設置、沓摺りの除去
改築 水廻りを一新して新しくしたい 配管まで含めて総取替え
間取りを変更したい 基礎・土台の補修・交換・梁の交換・
追加、壁の補強・追加など
阪神大震災クラスの地震にも耐えられる
ように補強したい
柱・壁の撤去・増設
水廻りも含めた完全な高齢者対応にしたい スローブの設置、階段勾配の変更、
手摺りの設置、段差解消など
2世帯住宅にしたい 水廻りの設備の増設、部屋の増設など
建替 古いところ・補修が必要な部分は全て修 理し、水廻りや間取りも含めて一新したい すべての部分の修理、構造的な見直し、
仕上げのやりかえなど

Vol.04 木造の「改修」は「改築」になりやすい
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古い建物を改修するため床を剥がしたところ、土台や柱の下のほうが腐っていた。床下換気に十分注意が払われていない多くの 住宅では、こうした例が頻繁に見受けられる。

ただ、ここで注意したいのは、とくに木造住宅などの場合、「悪いところを手直ししたい」、つまり改修の範囲で考えたいと思っ ても、たとえば土台や柱の下部が腐っていたりシロアリの大きな被害を受けていたりする場合には、工事も大掛かりになると いうことです。古い建物は、工事をはじめてみると床下の部材が腐っている例がほとんど。リフォーム工事のもっとも難しいところは、 壁や床を壊さなければ柱など内部の状況が正確に分からないことです。したがって、「改修」なのか「改築」なのかを見極めることと 同時に、「建物」をどうしたいのか、その目的をしっかりと考えることが必要になってきます。


Vol.05「改修」の目的をしっかりと見極めよう

たとえば、お金もそれほどかけたくないし、今回は「改修」の範囲で抑えたい、と考えたとします。 しかし、それだけではあと5年もてばいいのか、20年もたせたいのかが分かりません。5年でいい のであれば、仮に部材が腐っていても大掛かりにならない範囲で補修し、家の寿命を延ばす方向で 工事をすることは可能です。でも、20年もたせたいのであれば、対処療法的な補修ではなく、構造 躯体の補修・補強を含めた改築工事をしたほうが、結果的に効率的で安上がりになる可能性が大 きいのです。

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家は、家族の現状や近い将来に合わせて建てたり買ったりするのが一般的です。そして、リフォームを考えるときには、突発的な 事情でない限り、当初とは家族状況が変わっていることが多いでしょう。子供が独立したとか、同居していたおじいちゃんが亡くなったとか、 さらに主人夫婦自身、すでに「高齢者」と呼ばれる年齢に近づいたりしているものです。収入も、これからますます増えるということはない…。 そういった状態で行おうとするリフォームは、将来的なことも十分に踏まえて計画を立てないと、結局「安物買いの銭失い」になりかねません。 目に見えるところだけを、どんなにきれいにしても、その裏の構造躯体が腐っていて、すぐに建て直しが必要になるような例も数多く見られるのです。